パニック障害患者、まったりとブログやる

パニック障害になってしまいました。言葉遊びしてます。Twitter@lotus0083 ふぉろーみー。

正直な身体

人間の身体は本能に従っている。

 

 

僕は病気になってからというもの、そう感じるようになった。いや、以前から薄々は気付いていたのかもしれない。

 

病気というものは、身体の訴えだ。もうこれ以上動かすと壊れてしまうぞ、というサインを身体が出しているのだ。その身体の叫びを抑え込もうとするものが理性なのかもしれない。ここで言う理性とは、正しいこととかそういう類のものではなく、単純に頭で考えることと定義しておきたい。

 

例えば、朝起きた時に頭痛がしたり、少しのどが痛かったり。誰でもそういう経験はあるだろう。しかし、その程度では仕事を休むわけにもいかないので、一つ身体に気合を入れて出勤するのだ。その判断が正しいかどうかは後々すぐわかる。身体を動かしているうちに体調が良くなることもあれば、悪化することもある。

 

だから、理性を一概に悪いとは言えないのだ。

 

ただ、身体は何らかのサインを出していることは事実なのである。上の例で言えば、身体は何かしらのウイルスに侵され始めているのかもしれないし、睡眠不足に陥っているのかもしれない。そういう時に身体はサインを出す。主に痛みとして主張し始めるのだ。

 

 

身体のサインを無視し続けた結果に起こるのが病気だ。

 

 

僕はもしかしたら身体のサインを無視し続けていたのかもしれない。無視し続けると、身体は強制的にシャットダウンを行う。使い過ぎたパソコンのように。

 

 

 

僕は幼少の時から身体がかなり弱かった。冬に幼稚園に行った記憶がない。小学校に上がっても、身体は弱いままだった。一週間に一回は学校を休んでいた気がする。しかし中学に上がるころには、それまでと比べると身体は強くなった。そして、高校に上がって親元を離れてから風邪をひくことはあまり無くなったような気がする。

 

 

身体の免疫力についてはこのような感じだが、僕は小さい時から割と神経質だった。知らない場所へ旅行に行った時には、トイレがかなり近くなるという厄介な体質だったのだ。それは大人になってからは多少和らいだものの、例えば集会とかで数時間トイレに行けなそうな時に限ってトイレが近くなる、というのは今でもある。

 

しかし、人前に立つことに関してはそれほど緊張しない。何か喋れと言われても適当に話せる自信はある。ここから考えてみると、どうも空間的なものが起因となって僕の神経症が現れていたような気がする。

 

では、パニック障害の診断を下される直近で、僕の身体に何か異常は無かったのだろうか。

 

やはり思い当たる節はある。というよりも、思い当たって当然なのだ。人間にとっては未来を予測することは難しいが、過去の事物に対して現在の因果を結び付けることは容易なのだ。今学ばれている歴史のように。

 

 

 

診断を受ける約一年前のことだ。何となく眠れない日々が続いたのを覚えている。僕は元々眠りに就くことが難しい体質なのだ。だから、寝られない日が続くのはそんなに珍しいことでは無い。しかし、しばらく眠れない日々が続いたある日のことだ。僕は経験したこともない強烈な目まいに襲われた。空が回転し始め、地面が揺らぎ始める。目を閉じ、暗闇の中に身を委ねたのだが、その暗闇が波となって襲ってきた。

 

あまりの不快感に動けず、呼吸も整わなかったことを覚えている。何か大きな病気に侵されたのではないかと疑ったが、30分ほど経つと嘘のように目まいが消えた。呼吸も楽になった。一瞬に見た夢だったのだろうか。そんなことを考えたぐらいだ。

 

 

眠れていない日が続いたもんな。

 

そんな程度にしか思わなかった。

 

 

そのままおよそ半年ほど何もなかった。しかし、また突然強烈なめまいに襲われた。この時も30分ほどしたら嘘のように目まいは消えた。さすがに半年前のこともあって、病院へ行くことにした。まずは内科に行き、その後耳鼻科、脳神経外科に行った。それぞれの病院で検査を受けたのだが、特に異常は見当たらなかった。さすがに変だと思ったが、目まいもそれ以降起こらなかったので、普通の生活にまた戻っていった。

 

 

しかし、去年の11月。

 

僕は、全く寝られなくなった。ストレスを感じていたかどうかは分からないが、いきなり眠れなくなったのだ。寝たとしても午前の5時ごろ。睡眠時間は一日二時間ほどだった。布団に12時ごろ入っても、寝付けなくなってしまったのだ。そんな生活を続けていたら、いきなり電車に乗れなくなった。

 

 

そして、僕は心療内科を受診することに決めたのだ。

 

 

やはり、身体はサインを出し続けてくれていたのだ。一年前に起こった強烈な目まいは、パニック障害への序章だったのだ。

 

しかし、このサインに気付くのは相当難しい。いや、否応なしに気付きはするのだが、そのサインをどう解釈するかが問題になってくる。いきなり大きな目まいに襲われたからといって、すぐに心療内科に行く人はわずかだろう。やはり最初は、内科、耳鼻科に行くことがセオリー通りである。だから、心療内科に行くことが多少遅れたとしても仕方がない。

 

 

一番問題なのは、身体が懸命に出しているサインを理性で抑えつけてしまうことなのではないだろうか。

 

 

 

 

僕が、まさにそうだった。

 

 

多少身体に不調を感じても、頭でやらなければならないことを優先していた。だから、意図的に身体が出すサインを無視していたのだ。

 

その結果がパニック障害である。

 

この病気には「完治」という言葉はない。なぜならいつでも再発する可能性があるからだ。僕はこの病気と今後これから付き合っていかなければならない。外に出られないというのはかなりの痛手だ。

 

正直に言えば、もっと早い段階で何かしらの対策を立てられればと思った。

 

 

しかし、そう後悔したところで何も変わらないのである。

 

 

僕はこの病気を利点にして、自分の強みにしていきたいと思う。どうすればいいかは、まだ検討もついていないが。

 

 

そして、願わくば、今、体調がおかしいと感じている人がいたら、身体に正直になってすぐに病院へ行ってもらいたいと思う。

 

 

そうすることで、病気を防ぐことが出来たなら、僕の病気も役に立ったと言えるのだろう。